ジャンマルコ アントヌーツィ、彼ほど合理的、かつ感性的な造り手に出会ったことはあっただろうか。ヴァレン ティーニやジュラール シュレール、愛する造り手のワインを飲むうちに、自らワインを造りの道を選んだジャンマルコ。フランスをはじめとした多くのワイナリーでの経験、そして祖父より受け継いだグラードリでのブドウ栽培、それぞれ全くの無関係のようですべては彼の計画した通り。そう感じさせてくれる説得力を持っている。そしてそれだけでは終わらない彼のエネルギーは、畑での挑戦はもちろん醸造においてもただならぬものがある。そんな彼はいつも想像の斜め上を進み 続ける彼のワイン。そこには造り手だけでない、飲み手へのたくさんのメッセージが散りばめられている。
グラードリの土地はラツィオ北部、ヴィテルボ近郊カルデラ型の湖ラーゴ ディ ボルセーナのほとりにある。このあたりの土壌は火山礫、凝灰岩、細かい顆粒状の石が積み重なり形成されている。砂質、火山性の堆積物、特に鉄分が多く、石灰質と共にブドウに特徴的なミネラルを与えている。標高も高く、350~450mという斜面、祖父の畑や周囲の小さな放棄地を寄せ集めた3ha(樹齢が 非常に高い)と、2004年に彼が手に入れた3haの土地「Le Coste」。2006年より収穫・醸造を開始。彼の目の前で起きた数々の現象、、、大きく分けると彼には2つの畑がある。1つは樹齢50年を超える高樹齢の畑(彼曰く、樹の素晴らしさ、反面誘因等 手入れの不備からくる不安定さ・もろさを内在)そして、彼が土地の耕転から植樹まで行った畑「Le Coste」当初に植樹したグレゲット、アレアーティコ、トレッビアーノ等はピエ ディフランコ:台木なし。レ コステの土壌特徴である小石、砂利の多い砂質はフィロキセラによる強い耐性があると考えたため(何事においても実践主義である彼の性格もあります)。そしてセレクションマッサールによる多様性(自分の尊敬する素晴らしい造り手達から苗木を分けてもらったという話は聞いたことがある人も多いでしょう)。
2010年というレ コステにとって危機的な気候状況に対峙した2つの畑。わずかな樹齢であるにも関わらず、想像もつかないほどの見事な収穫を見せたレコステに対して、常識でいえばこうした変化に強いはずの古樹の甚大なる被害。どんな知識や技術、経験でも実証できない出来事が、彼の目の前で起きる、、、。これは彼の栽培に対する観念に多大な影響を与え、価値観が再構築されるきっかけともなったという。
畑では農薬はもちろん、堆肥なども一切使わない農法を徹底。畑ではブドウ樹だけを栽培するのではなく、自家消費用に野菜やオリーブ(一部は販売用にも生産)果実を混在させた状態で栽培。単一的な環境ではないより多様性のある畑、自然環境に近づける努力を惜しまない。これは、ジャンマルコのポリシーであって、絶対に妥協しない部分。効率性も悪ければリスクも非常に高い、しかしこのポリシーを貫くための過酷な畑仕事は一切惜しまない。彼の言葉を借りるならば、「自分の造りたいものを造るためには、欠かせない事。」となる。
点在する畑の標高は高いところで450m、ボルセーナ湖を見渡す斜面にあり、一番広いレ コステが350mほど。現在生産本数は約8000本前後、トレビアーノ トスカーノや、プロカ ニコ、マルヴァージア トスカーナ、アレアーティコ、グレゲット、チリエジョーロなどを栽培。樹の仕立は古いものはグイヨー式(1ha/4000 本)、新しい畑は、各樹が独立したアルベレッロ式(1ha/10000 本)
彼曰く、「ワインを造るのに自然の恩恵は欠かせない、気候や環境ってのは全くコントロールできない。だからいわゆる“良い年”に“最高のブドウ”が収穫できる。ただ、これは“最高のワイン”ではない。そのまま普通に仕上げたら、自分の中では“良いワイン“、としか言えない。これまで以上の醸造、リスクを冒すことが当然必要。それに、その方が面白いだろ?」そう言い切って微笑むジャンマルコ、生産量は変わらずとも、種類は年々素敵に増えていく。それは彼の数えきれない想像や挑戦が具現化されている証ともいえる。(インポーター資料より)