テッサがワインを造るラウエンベルクは、ドイツ・バーデン地方最北端(ライン川を挟んでファルツの東側)クラウヒガウ地区に位置する、700年以上の歴史を持つワイン産地です。中世には修道院などによりブ
ドウ畑が管理され、その後は北部バーデンを代表する産地へと発展しましたが、この地域は長らく協同組合によるワイン生産が中心でした。その中でも、テッサはテロワールの表現にフォーカスし、畑の土壌をその
ままグラスに映し出すかのようなワインを生み出す、稀有な造り手として彗星の如く現れました。
ラウエンベルクが良質なブドウを育む理由は、その恵まれたテロワールにあります。ドイツでも比較的温暖なバーデン地方に位置するため春の訪れが早く、暖かな夏と長い秋によってブドウは十分に成熟します。土壌は保水性に優れたレスを主体としながら、石灰岩や粘土、そしてバーデン=ヴュルテンベルク州に特徴的なコイパー(石膏)土壌が点在しています。標高120~250mほどの穏やかな丘陵地には、日照や風通し、排水に優れた畑が広がり、熟した果実味と豊かなミネラルを備えたワインが生まれます。テッサはこの土地で育ち、ケラーで修業を積み、その後ブルゴーニュのレ・オレで経験を重ねました。ブルゴーニュでビンテージを重ねるなかで、彼女の心には何度も故郷ラウエンベルクの小さな畑が浮かんでいたといいます。その畑は、パートナーでありシェフでもあるクリスティアンのレストランの近くにあります。
「師たちから学んだ栽培や醸造の哲学を、この故郷の小さな村でも実践できないだろうか。」そんな想いか
ら、二人のワイン造りが始まりました。テッサとクリスティアンのワイン造りは、2021年に50Lのガラス
製発酵容器で仕込んだ一本のワインから始まります。使用したブドウは、テッサが育ったラウエンベルクの
小さな畑で収穫したものでした。翌2022年には初めて本格的なヴィンテージを仕込み、2023年にはそのご
く限られた本数が初めて市場に送り出されます。その頃もテッサはブルゴーニュのレ・オレで収穫に携わり
ながら、何度も故郷へ戻り、自らの畑を管理していました。2023年は雨の多い難しいヴィンテージでした
が、徹底した選果によって健全な果実だけを使用し、初ヴィンテージとは思えないほど鮮やかで生命力あふ
れるワインを完成させます。
テッサの畑は、石灰岩を含む砂質のコイパー土壌であり、植えられていたブドウ品種はピノ・ブラン、オー
セロワ、ミュラー・トゥルガウ、ピノ・ノワールとブルゴーニュにも通じる品種たちでした。なかでもオー
セロワの区画は樹齢約65年、ミュラー・トゥルガウは最大75年に達する古木です。テッサが借り受ける以
前、ミュラー・トゥルガウの区画は2年間まったく収穫されず放置されていました。しかし彼女曰く、その
区画はエネルギーを放っていました。2026年現在、二人は約1haの畑を管理しています。畑はラウエンベ
ルクを囲む4つの丘に点在しています。オーセロワとヴァイスブルグンダーは、西向き斜面「ケーゼブロー
ト」のコイパー土壌。シュペートブルグンダーは、北向き斜面「フロイデンベルク」の赤色粘土土壌。ミュ
ラー・トゥルガウもまた、北向き斜面のコイパー土壌で栽培されています。(インポーター資料より)

































