オーストリア北東部、ニーダーエスタライヒ州ヴァインフィアテル地方のPillersdorfを拠点とする若き造り手、シュテファン・ブッフマイヤー。ブッフマイヤー家のワイナリーは1769年創業。祖父の代に初めて自社ワインの瓶詰めを行い、父の代で生産規模を拡大しました。2015年には有機栽培へと転換し、2018年には初めてナチュラルワインを生産。家族の歩みの中で、自然なワイン造りへと大きく舵を切ってきました。シュテファン自身は、ウィーン近郊にある5年制のワイン専門学校で学び、培養酵母を用いたフルーティーなワイン造りや、徹底した清澄など、クラシックでスタンダードな醸造の基礎を身につけました。その後、カリフォルニアでインターンシップを経験しますが、そこで目にした工業的なワイン造りに違和感を覚え、「自分が目指したいワイン造りはこれではない」と感じるようになります。一方で、父が有機栽培とナチュラルワインへ歩みを進めたことで、シュテファンも自然派のワイン造りに深く触れるようになります。2022年から家族経営のワイナリーで本格的に働き始め、父と共にナチュラルワインを手がけました。2023年には、祖父から古いブドウ畑を借り受け、バイオダイナミック農法に取り組みながら、自身のワイン造りをスタート。2024年が、彼にとって初めての独立したヴィンテージとなりました。シュテファンにとって最も重要なのは、土壌の健康を育み、土地に生命力を取り戻すことです。彼が関わる畑は、すでに約10年間有機栽培が続けられてきましたが、それでもなお、土壌の質をさらに高めていく大きな可能性があると感じています。カバークロップ、堆肥、堆肥茶、そしてバイオダイナミック農法を通じて、畑そのものの力を引き出すこと。彼にとってそれは、ワインの味わいを形づくる最も大切な土台です。醸造においては、非常にストレートで精密なスタイルを目指しています。ダイレクトプレスにするのか、スキンコンタクトを行うのかは、畑とヴィンテージの個性によって判断します。ある畑ではスキンコンタクトが必要であり、別の畑ではダイレクトプレスの方が適している。それぞれの畑にとって最もふさわしい表現を探り続けることが、彼のワイン造りの中心にあります。また、2025年には自身のスタイルをさらに磨くため、2カ月間オーストラリアへ渡りました。オーストリアよりもはるかに温暖な気候でありながら、そこで出会ったのは、これまで味わったことのないような冷涼感を備えたワイン。その経験は、彼のワイン造りに新たな視点をもたらしています。ラベルデザインは、長年家族ぐるみで仕事をしてきた親しい友人であり、グラフィックデザイナーでもある人物が担当。それぞれのラベルはワインの個性を反映しており、ウィーンのグラフィティからインスピレーションを得ています。たとえば「Muscat AmongFriends」は、気さくで親しみやすく、活気のあるワインの印象を表現。一方「Pink & White」は、ワインの造りそのものを物語るラベルです。白い部分はグリューナー・フェルトリーナー、ピンクの部分はブラウアー・ツヴァイゲルトを表しています。この2つの品種は、同じ畑の中で細い線を境に隣り合って栽培されており、それぞれが同じ土地の個性を異なる形で映し出しています。シュテファンが今後伝えていきたいのは、長らく過小評価されてきたヴァインフィアテルという土地の可能性です。そして同じく過小評価されてきたブラウアー・ツヴァイゲルトという品種にも、彼は大きな可能性を見出しています。小さな地域、小さな畑、古い樹、そして土壌への丹念な向き合い方。シュテファン・ブッフマイヤーは、ヴァインフィアテルの新たな表情を映し出す、注目すべき若き造り手です。(インポーター資料より)
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