ヴァスカブ・カステリーは、ハンガリー南部ペーチ地方・モハーチに拠点を置く、現在世界的にも注目を集める新進気鋭のワイナリーです。その名は、1526年「モハーチの戦い」の際、この地の峡谷で義勇軍が“鉄の門(Vaskapu)”のように敵の進軍を阻んだという地元伝承に由来。19世紀後半にはこの地にエレガントなシャトー(邸宅兼セラー)が建設され、現在のワイナリーの礎となっています。当主ゲーザ・ギャランは、ハンガリーのワイン界でも非常に異色な経歴を持つ生産者です。幼少期を田舎で過ごした後、14歳で首都ブダペストへ移住。10代の頃には人気テレビドラマ『Életképek(人生の情景)』に俳優として出演し、その後はブダペスト演劇映画大学で映像演出を学び、テレビディレクターや番組ホストとして活躍していました。映像やメディアの最前線に身を置く一方、美食文化への関心から次第にワインへ魅了され、ワインバーで働きながら知識を深め、さらには独学でパン作りにも没頭。「自らの手で本物を生み出す」という感覚に強く惹かれていきます。そんな中、2015年に趣味として始めたワイン造りが、彼の人生を大きく変える転機となりました。現在の彼の哲学の原点には、幼少期の祖父との記憶があります。母方の祖父は、現在のスロバキア地域でブドウを育て、自家用ワインを造る素朴な農夫でした。幼い頃のゲーザは、祖父とともにブドウを踏み、土に触れながら、「実直な手仕事」の価値を自然と学んでいきました。その感覚は現在の「一切の添加物に頼らず、自然の力をありのまま表現する」という彼のワイン造りへと繋がっています。現在は妻イボリャとともに、モハーチ近郊のヴァスカブ・カステリーを拠点に家族でワイナリーを運営。この古いシャトーは、幼い頃から妻イボリャが憧れていた特別な場所でもありました。2018年、引退を迎えたアルザス人醸造家夫妻からこの土地を引き継ぎ、家族全員で新たなワイナリーとして再出発を果たします。(インポーター資料より)
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